「抜擢される人の人脈術」

岡島悦子『抜擢される人の人脈術』を読んだ。

戦略的に人脈を形成する指南書。

「こうしたらうまくいった」という経験則だけではなく、抽象化されたフレームワークを提示している。

そのフレームワークからそれぞれの話題を提供しているので、使える知識として非常に参考になった。

おすすめ。

「印象派」

フランス象徴主義の詩人にかぶれた時期があった。

シャルル・ボードレール、アルチュール・ランボー、ステファヌ・マラルメ、ポール・ヴァレリーなどを読んだ記憶がある。

その内容のほとんどはもう忘れてしまったが、美しい文章だったことは記憶している。

もう読むことはないのかもしれないが、その時期出来上がった感覚はおそらく生涯の財産になるだろうと思う。

 

「積まれた本」

Amazonで注文をしていた池谷義紀「webサイト構築&運営がわかる本」が到着した。

ワードプレスを使って自分のwebサイトは運営してきたが、「構築、運営」という観点から全体を捉え直したいと思うようになり、読むことにした。

webサイトに限らず、「何か物事を用意するための全体像の作り方」という意識で読んでみたいと思っている。

 

この本に限らず、読むために揃えている本がたくさんある。

こんなときよく考えるのが、「これらの本の内容は、未来の自分であれば当然吸収しているはずのものだ」ということだ。

そう考えながら、嬉しい気持ちに浸っている。

「グレインサイズの高め方」

苫米地英人「グレインサイズの高め方」を再読。

何度も読んでいる本だ。

何度も読むということは、そこに大事なことが書いてあると感じていたからだ。

しかし、なぜかこの本は「なんとなくわかるのだが、いまいちしっくりこない」という時間が長かった。

今回読み返してみると、「ああ、こういうことを伝えようとしていたのか」と、かなり腑に落ちる感覚があった。

なぜだろうか。

おそらく、最近になっていろいろと取り組んでいる仕事の中で持っていた問題意識と、本の内容がリンクしたからだと思う。

つまり、こちらの問題だ。

自分が成長したからこそ本の内容がよく入ってくるということだろう。

「ない仕事の作り方」

みうらじゅん「ない仕事の作り方」を読んだ。

くだけた文体と、具体例としてあげられる対象や、手法のネーミングのユニークさが印象的だ。

しかし、実際には仕事に対する王道とも言える考え方が学べる本だった。

文字通り「ない仕事」をどのように作っていくかについて語られている。

そのために著者は、対象を徹底的に好きになる「自分洗脳」、世の中に目新しい対象を広げるための手段としての「一人電通方式」などの手法を生み出し実践してきた。

その過程で、ない仕事を作ることは「私」を消す作業であると気づく。

「私」ではなく、「対象」がどのように世の中に受け入れられ、楽しんでもらえるかを考え続けることだという。

これはまさに、仏教修行(特に大乗仏教)そのものだ。

ただ面白がって読むだけではもったいない本だと感じた。

「細谷功」

細谷功『地頭力を鍛える』を読んでいて、既視感におそわれる感覚があったので、著者について調べてみた。

すると、同著者の『具体と抽象』を読んでいたことに気づいた。

このような「コンサルタントの立場から、問題解決のための思考ツールについて書いた本」をいくつか出しているようで、興味が湧いてきた。

私は気になる著者を見つけたら、その人の本は手に入るだけすべて読んで勉強するようにしている。

今回もそうしてみようかなと思った。

 

「コンサルタントとコーチング」

細谷功『地頭力を鍛える』を読んでよかった点は、コンサルタントとコーチングの違いが明瞭になってきたことだ。

普段指導する際に「コンサルタントとコーチングは別のものですよ」と言うことがある。

にも関わらず、コンサルタントとは何をやっているかをきちんと理解できていなかったことに気づいた。

もちろんごく一部だけなのだろうが、以前よりは理解ができた気がする。

翻ってそれは、コーチングを深く理解することにもつながる。

コーチングの肝は、やはり、意図的に「現状の外側のゴール」を設定している点であろう。

「未来まで含めた現状と構造的な矛盾を引き起こすゴール」と言ってもいい。

比較対象が明確なものになることで、その点の重要性がさらに理解できた。

「地頭力を鍛える」

細谷功「地頭力を鍛える」を読んだ。

「結論から、全体から、単純に」考えるというのが、著者が定義する地頭力だ。

これ以外にも、ビジネスで結果を出す頭の使い方が幾つか紹介され、その総合力が重要なようだ。

優秀なコンサルタントはこのような思考の仕方をしているのか、ということがよくわかった。

優秀なコンサルタントはこのような思考の仕方をしているのか、ということがよくわかった。

かなりの部分、同様のことを実践していると自負しているが、体系的に示してもらえたので、自分のウィークポイントが明らかになってよかったと思っている。

「読書の際には」

読書の際、気をつけていることは「最も抽象の高いメッセージを読み取る」ことだ。

このことを意識できると、読書の質がぐっと上がるだろう。

同時に可能であれば、「そのメッセージを元に、どのような構造がその本の世界に設計されているのか」を感じ取ることも行うとよい。

 

ただし、いずれも「小説」を読む際にはあまりおすすめできない。

「小説」は、一言一言が目の前で展開され、結果として全体像のようなものが立ち上がるという「プロセス」を楽しむ種類のテクストだからだ。

「別れの物語」

二人の男が出会い、そして別れる(出会い直す)というモチーフの話がたまらなく好きだ。

 

グレート・ギャツビー

デミアン

ロング・グッドバイ

異邦の騎士

グラン・モーヌ

羊をめぐる冒険

シャーロックホームズ・最後の事件

チェ・ゲバラがフィデル・カストロに宛てた最後の手紙

 

そういえば、以前マーク・シューベルトが話してくれた、若き日のルー・タイスとの思い出からも、同様の哀愁を感じた。

チベット密教での灌頂儀式が終わったあと、甘いおやつをその場にいる人みんなで食べた。

それは、来世にも仏の縁でその場にいる人すべてと会うことができるという意味なのだそうだ。

来世、があるかどうかは知らないが、この時もまた、同じ哀愁を感じた。