みうらじゅん「ない仕事の作り方」を読んだ。
くだけた文体と、具体例としてあげられる対象や、手法のネーミングのユニークさが印象的だ。
しかし、実際には仕事に対する王道とも言える考え方が学べる本だった。
文字通り「ない仕事」をどのように作っていくかについて語られている。
そのために著者は、対象を徹底的に好きになる「自分洗脳」、世の中に目新しい対象を広げるための手段としての「一人電通方式」などの手法を生み出し実践してきた。
その過程で、ない仕事を作ることは「私」を消す作業であると気づく。
「私」ではなく、「対象」がどのように世の中に受け入れられ、楽しんでもらえるかを考え続けることだという。
これはまさに、仏教修行(特に大乗仏教)そのものだ。
ただ面白がって読むだけではもったいない本だと感じた。