堀義人「創造と変革の志士たちへ」を読んだ。
グロービズ経営大学院の学長だ。
MBAで学ぶようなフレームワークと、陽明学や松下村塾の教え、囲碁の考え方など、日本古来に見られるフレームワークを使って、リーダーの要件とその身につけ方を説いていた。
見えている課題や、市場に対する分析の仕方などは、非常に洗練されていると感じた。
しかし、現状を超えた大きなビジョンやミッション、あるいはモチベーションに関する記述などは、多くが経験則で、効果的なモデルがあるように感じなかった。
必然的に、「志、努力、情熱、執着」といったエモーショナルな表現が目立ち、全体としていささか精神論めいたものに見えた。
コーチングでは
・現状とは何か
・現状を超えるとはどういう状態か
・ゴールとは何か
・モチベーションとは何か
・モチベーションとはどうすれば生まれるのか
なとが、科学的に定義に基づいて厳密に扱う。
それは、マインドをモデル化しようとした認知科学の成果からくるものだ。
この点が多くのビジネス書に欠けているところであり、コーチングのバリューであると改めて感じた。